プレゼンテーション演習の受講生のおすすめTED動画

2019年度の授業「プレゼンテーション演習」の受講生のおすすめTED動画を4つご紹介します.

映画“Anon”で描かれた超監視社会

映画“Anon”をレンタルDVDで観ました.

全ての人間の視覚や記憶が“ether”という名の情報システムで統合された未来世界が舞台となっているサスペンスで,とても見応えのある映画でした.本映画で描かれた超監視社会は,後期に開講される「科学技術論」でも取り上げる予定です.受講生の皆さんの反応はいかに?

この映画と併せて『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来(上・下)』(ユヴァル・ノア・ハラリ著,柴田裕之訳,河出書房新社,2018)もオススメです.

学科FD研修会に参加しました.

2019年9月4日(水)に開催された学科FD研修会に参加しました.

富山県立大学工学部機械システム工学科では,学科の教育力向上のため,学科の教育的課題について話し合うFD(Faculty Development)研修会を開催しています.今年も様々な議題に対し,互いの意見を交換することができ,有意義な時間となりました.

大学コンソーシアム富山の集中講義「航空機入門」が終了しました.

2019年8月27日(火)から29日(木)までの間,富山駅前のCiCビル5階にある大学コンソーシアム富山・駅前キャンパスで集中講義「航空機入門」が開講されました.全8コマのうち「空気力学の基礎」と「飛行力学の基礎」を担当しました.

ゼミ旅行で立山山麓へ行ってきました!

2019年8月25日〜26日にかけて立山山麓にあるグリーンパーク吉峰へ行ってきました.往路の途中に立ち寄った落差350 mの称名滝は大迫力!

立山グリーンパーク吉峰のコテージ
立山グリーンパーク吉峰のコテージ
称名滝
称名滝(+ ハンノキ滝)

32nd International Symposium on Shock Wavesで研究成果を発表しました.

2019年7月14日〜19日の間シンガポールで開催されている32nd International Symposium on Shock Wavesにおいて,本研究室の研究成果を発表しましたので,ご報告します.

熱力学こぼれ話

本日の講義「エネルギー変換工学」の中で,以下の熱力学関係式を使いました.

T = \left( \frac{\partial H}{\partial S} \right)_p \qquad \cdots (1)

ここで,Tは温度,Hはエンタルピー,Sはエントロピー,pは圧力です.授業後に回収した大福帳(コミュニケーションカード)に質問があったので,式(1)の導出過程を示しておきます.

まず,エンタルピーは状態量ですから2つの状態量の関数となります.ここでH=H(S, p)とみなせば,その全微分は

\mathrm{d}H = \left( \frac{\partial H}{\partial S}\right)_p \mathrm{d}S + \left( \frac{\partial H}{\partial p}\right)_S \mathrm{d}p \qquad \cdots(2)

と表すことができます.一方,熱力学の第1法則から,

\mathrm{d}H = T \mathrm{d}S + V \mathrm{d}p \qquad \cdots (3)

が成り立ちます.ここで,Vは体積です.

式(2)と(3)の右辺を見比べてみれば,式(1)ならびに

V = \left( \frac{\partial H}{\partial p} \right)_S \qquad \cdots (4)

が成り立つことがわかります.

ところで,式(1)をみると,示量性状態量Hを示量性状態量Sで微分したものは示強性状態量Tになっていることがわかりますね.一方,式(4)からは,示量性状態Hを示強性状態量pで微分したものが示量性状態量Vになることがわかります.だから何だと言われればその通りなのですが,何かのときに役立つかもしれませんww.

上述した示強性状態量と示量性状態量の関係性は,原島鮮先生の教科書「熱力学・統計力学(改訂版)」培風館(1978),p. 78に紹介されています.この本には他にも多くのユニークな「こぼれ話」が紹介されていて,まるで講義を聴いているように読み進めることができる,お薦めの教科書です.

Juliaに傷心(ハートブレイク)

2019年5月18日(土)に富山CiCビルで開催された第72回オープンCAE勉強会@富山で,プログラミング言語Juliaに関する話題提供を行いました.その内容をざっくり纏めてみましたので,ご紹介します.

報告内容

  • Juliaとは?
  • Juliaのインストール
  • Jupyterでの利用
  • Pythonとの速度比較(暫定版)
  • まとめ

Juliaとは?

Juliaは2012年に発表された新しいプログラミング言語であり,個人的には次のような特徴が気に入っています.プログラミングの導入教育には最適だと考えられます.

  • Python同様動的型付け言語だが,静的型付け言語に迫る実行速度を持つらしい.
  • 計算実行時にコンパイルするJIT(Just-In-Time)コンパイラを採用しており,PythonやRuby等のインタプリタと同じように簡単に利用できる.
  • Python同様,Jupyterをインターフェイスとして利用できる.

Juliaのインストール

公式サイトで各種OS用のインストーラが配布されています.私はmacOS版を手元のMacBookにインストールして使っています.

Mac版Juliaは,通常のアプリケーションとして登録されますので,ダブルクリックするとターミナル上でREPL (Read-Eval-Print Loop)環境が動作します.パッケージの追加・アップデートはこの環境で行うことができます.さらに,”?”をつけてコマンド等を入力すると詳しいヘルプ画面が表示されます.

Jupyterでの利用

私にとって最大のJuliaの魅力は,Jupyter notebookやJupyter lab上で実行できることです(そもそもJupyterの”Ju”はJuliaを指しているらしいので,当たり前と言えば当たり前ですが).

既にJupyterがインストールされていれば,Jupyterとの連携は簡単です.私の環境(Mac+Anaconda)の場合,JuliaのREPL環境で”]”をタイプしてpkgモードにした後,次のようにしてIJuliaパッケージをインストールすれば,Jupyterのカーネル・リストにJuliaが追加され,利用できるようになりました.

(v1.1) pkg> add IJulia

Pythonとの速度比較(暫定版)

Pythonプログラムと,それをJuliaに移植したプログラムとで計算速度の比較を行ってみました.

計算対象は,Barba先生のCFD-Python Step 5で取り上げられている2次元線形移流方程式

\displaystyle {\partial u \over \partial t}+c{\partial u \over \partial x} + c{\partial u \over \partial y}=0

の差分近似

\displaystyle u^{n+1}_{i, j} = u^{n}_{i, j} - c \Delta t \left( {u^n_{i, j}-u^n_{i-1, j} \over \Delta x} + {u^n_{i, j}-u^n_{i, j-1} \over \Delta y} \right)

です.これを以下の初期条件,境界条件の下で解いてみました.

初期条件:

u(x, y, 0) = \left\{ \begin{array}{c} 2 \quad \mbox{for} \quad 0.5 \leq x, y \leq 1 \\ 1  \quad \mbox{for everywhere else} \end{array} \right.

境界条件:

u(x, y, t) = 1 \quad \mbox{for} \left\{ \begin{array}{c} x=0, 2 \\  y=0, 2 \end{array} \right.

空間の分割数はx, y方向ともに80分割(n_x=n_y=81)で,100タイムステップn_t=100の計算にかかる時間を計測しました.

CFD-Pythonのコードのコア部分は以下のようなものです.

for n in range(nt + 1):
un = u.copy()
for j in range(1, ny):
      for i in range(1, nx):
           u[j, i] = un[j, i] – c * dt*( (un[j, i] – un[j, i – 1])/dx+ (un[j, i] – un[j – 1, i])/dy)

これをJuliaに移植すると

for n in 1:nt
     un = copy(u)
     for i in 2:nx-1
          for j in 2:ny-1
               u[i, j] = un[i, j] – c * dt*((un[i, j]-un[i-1, j])/dx+(un[i, j]-un[i, j-1])/dy)
               u[1, j] = 1
               u[nx, j] = 1
          end
          u[i, 1] = 1
           u[i, ny] = 1
     end
end

シンプルで,初心者にも分かり易いコードだと思います.このコードで計算した結果,Pythonコードでは2.5 s程度掛かっていた時間がJuliaコードでは0.41 sに短縮され,6倍程度高速になりました.

元になったPythonコードの計算過程も分かり易いのですが,3重のfor-loopで書かれていて,ものすごく遅いため,普段Pythonを使っている人は配列操作(Array Operation)を用いるようです.実際,CFD-Pythonでも配列操作を利用するコードが紹介されていて,こちらで計算すると6 ms程度で計算が終了しました.私が書いたJuliaコード(3重のfor-loopを用いたもの)の60倍以上のスピードが出ています(速い!).

せっかくJuliaを使ったのに配列操作を使ったPythonに惨敗という結果になりまして,傷心気味だったのですが,@ceptreeさんの記事「Juliaの速さを体感する」を見つけ,メインループの関数化を試みたところ,Juliaでの計算時間を0.14 sにまで短縮することができました.それでもなお,配列操作を使ったPythonコードにスピードでは圧倒的に負けていますので,引き続き,Juliaの高速化について調べてみたいと思っています.

まとめ

  • Juliaはシンプルで使いやすい(あくまでも,個人の感想です).
  • Jupyterをインターフェイスとして使用できる.
  • Juliaはfor-loopを使ったPythonよりは速いが,配列操作を使ったPythonより遅かった.(引き続き,検討予定)
  • Juliaでは,関数内にfor-loopをまとめると計算速度が向上する.