今、ポリア著『いかにして問題を解くか』丸善(1975)を読んでいます。まだ途中ですが、学生よりもむしろ、我々理工系の教員が読むべき本のように思えます。印象的な部分をご紹介します。
教師の最大の義務は,学生に数学の問題がお互いに何等の関係がないものであるかのように思わせたり,またそれが他の事柄と無関係であるなどと考えさせないようにすることである.解答を振り返ってみることは問題の間の関連を調べるのに絶好の機会である.学生が解答をふり返ってみて真面目に努力した揚句,成功したと思えばそれに興味を感ずるようになるであろう.そうして何か他のことが同じような努力でできないか,またいつか別の時にうまく成功しないだろうかと熱心に追求するようになるだろう.教師は同じ手続きや結果を再び利用することができるように学生を力づけることが必要である.
教師は簡単なとき方を教えるだけでなく,少なくとも1度や2度はどうやって解答それ自身の中からもっとみじかいとき方を見出すのかの手がかりを教えてやらなければならない.