2016年6月30日に公開されたOpenFOAM v1606+のバイナリをDocker for Mac (beta)を用いて手元のMacにインストールしました.
私のMac環境(OS X Ver. 10.11.5)ではOpenFOAM+のウェブサイト上のインストール手順でうまくいきませんでしたが,試行錯誤の末,なんとかインストールすることができましたので,備忘録としてここに記録しておきます.
Docker for Macのインストール
MacにDockerをインストールするには,Docker for MacあるいはDocker Toolbox (Mac)のいずれかを使用します.前者は現時点(2016年7月11日)でパブリックベータ版ですが,Toolboxに比べてかなり使いやすくなっていますので,今回はDocker for Macを使用しました.
- Docker for Macのインストーラをダウンロードする.→ Docker for Macのインストーラ
- インストーラをダブルクリックで起動し,DockerアプリをApplicationsフォルダにドラッグ&ドロップして,インストールする.
- Dockerアプリを起動すると,ステータスバーにクジラのマークが追加される.
- Macのターミナルを開き,次のコマンドでDockerが動作していることを確認する.
$ docker info
OpenFOAM+のインストールと実行
- Dockerが動作していることを確認したら,引き続きOpenFOAM v1606+をインストール・実行するための,2つのスクリプトファイルをダウンロードする.保存先はホームディレクトリにしておく.
- スクリプトファイルinstallMacOpenFOAM+をエディタで開き,32行目の内容から次の部分を削除する.(注:Mac OS Xがこのディレクトリの共有を許してくれないため,削除した.このことによって不都合が生じる場合があるかもしれない.)
–volume=”/etc/sudoers.d:/etc/sudoers.d:ro”
- Macのターミナル上で,スクリプトファイルinstallMacOpenFOAM+を実行可能にする.
chmod +x intallMacOpenFOAM+
- 引き続き,Macのターミナル上でスクリプトファイルinstallMacOpenFOAM+を実行し,OpenFOAM v1606+が含まれたDockerコンテナをダウンロード・作成する.
./intallMacOpenFOAM+
- スクリプトファイルstartMacOpenFOAM+を実行可能にする.
chmod +x startMacOpenFOAM+
- スクリプトファイルstartMacOpenFOAM+を実行し,OpenFOAM v1606+が含まれたDockerコンテナを動作させる.
./startMacOpenFOAM+
- 新たなシェルが動きだし,OpenFOAM+が利用できる環境が整う.例えば,以下のようにしてチュートリアルを実行してみると,確認することができる.なお,現時点でコンテナからParaViewを実行させることができないので,Mac版Paraviewで結果を確認する.
mkdir -p $FOAM_RUN
run
cp -r $FOAM_TUTORIALS/incompressible/icoFoam/cavity .
cd cavity
./Allrun