先日入手したRaspberry Pi 4 Model B (4GBメモリ)の性能は,本学学生の必携パソコンに求められる条件を(OS,メモリを除き)ほぼ満足しています.少し手を加えれば安価なLinuxサーバを自作することも可能だと思い,Ubuntu 19.10 server + X2Goをインストールしてリモートデスクトップ環境を実現してみました.本稿は,その過程を備忘録としてまとめたものです.他の環境での動作を保証するものではありませんので,予めご了承ください.
謝辞 本作業を進めるにあたり,日経Linux2020年3月号の特集記事「ラズパイ4のすべて」他,インターネット上の多くの情報を参考にさせていただきました.
目次
- ハードウェア
- 準備
- インストール
- イメージファイルの書き込み
- MicroSDカードから起動
- キーボードの設定
- ネットワークの設定
- システムの更新
- デスクトップ環境のインストール
- 日本語環境の設定
- X2Goのインストール
ハードウェア
- Raspberry Pi 4 Computer Model B (4GB RAM)
- MicroSDカード(64GB)
- MicroSDアダプタ
- HDMI-MicroHDMI変換コネクタ
- USB-CーUSB-Aケーブル(給電用)
- LANケーブル
- USBキーボード
- USBマウス
- モニタ
- ケース(なくてもよい)
準備
- ラズパイ4の電源供給用USB-CコネクタとMicroHDMIコネクタとは隣接していて,一般的なUSB-CケーブルとHDMI変換コネクタでは互いに干渉してしまいました.そのため,HDMI変換コネクタをカッターナイフで削る作業が必要となりました.
- MicroSDカードのフォーマットはFAT32形式です.私はmacOS付属のDisk Utilityで行いましたが,後で紹介するアプリRaspberry Pi Imagerでも可能です.
- HDMI-MicroHDMI変換コネクタやUSB-CーUSB-Aケーブル,LANケーブルは100円ショップで入手可能です.
インストール
- イメージファイルの書き込み
- Raspberry Pi財団のウェブサイト からRaspberry Pi Imagerを入手.私の場合は,macOS用をダウンロード・インストールして使いました(他に,Windows用,Linux用があります).
- Raspberry Pi Imagerを使って,MicroSDカードにUbuntu 19.10 server (64bit)のイメージを書き込みました.以前のようにddコマンドを使う必要が無くなりました.これは朗報です.
- ただし,私の環境では起動時にHDMIディスプレイが認識されませんでしたので,イメージファイルと同じ場所に存在する設定ファイルuserconfig.txtの中に以下の行を追加しました(参考:日経Linux 2020年3月号,p. 78).
hdmi_force_hotplug=1
hdmi_group=2
hdmi_ignore_edid=0xa5000080
hdmi_mode=82
- MicroSDカードから起動
- イメージファイルを書き込んだMicroSDカードをラズパイ4に挿して起動させます.
- ユーザ名「ubuntu」,パスワード「ubuntu」でログインすると,パスワードの変更が求められますので,設定します.
- キーボードの設定
- デフォルトではキーボード設定は英語になっています.ネットワークの設定でvimエディタを使うので「:」の位置を修正しておく必要があり,先にキーボードの設定を変更しておきました.
sudo dpkg-reconigure keyboard-configuration
- 設定画面が表示されたら,日本語環境を設定して,再起動
- ネットワークの設定
- 将来的にサーバとして運用したかったので,固定IPアドレスを取得し,設定しました.参考としたのは以下の情報です.
- システムの更新
- ようやくネットワークが接続されたので,ここでシステムを最新の状態に更新
sudo apt update
sudo apt dist-upgrade
- デスクトップ環境のインストール
- 普段使っているデスクトップ環境Xfceをインストールしました.
sudo apt install xfce4
- 日本語環境の設定
- 日経Linux 2020年3月号,p. 87に従って,ロケールを「jp_JP.UTF-8」を設定し,タイムゾーンをTokyoに設定.再起動すると,デスクトップ画面が現れます.
- システムのアップデートを行った後,日本語入力も設定しておきました.
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sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo apt install fcitx-mozc
- X2Goのインストール
- X2Goでリーモとデスクトップの情報を参考にして,X2Goをインストールしました.
sudo apt-add-repository ppa:x2go/stable
sudo apt update
sudo apt install x2goserver x2goserver-xsession
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- 手元のPCでクライアントを起動し,うまく接続されれば成功です.