真理を探求するための方法(デカルト)

デカルト(1596-1650)は,その著書『方法序説』の中で,学問において真理を探求するための方法として,4つの規則を挙げています.現代に生きるわれわれにとっても極めて有益ですので,本日の講義「科学技術論」の中で受講生に紹介しました.

第一は,わたしが明証的に真であると認めるのでなければ,どんなことも真として受け入れないことだった.言い換えれば,注意ぶかく速断と偏見を避けること,そして疑いをさしはさむ余地のまったくないほど明晰かつ判明に精神に現れるもの以外は,何もわたしの判断のなかに含めないこと.

第二は,わたしが検討する難問の一つ一つを,できるだけ多くの,しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること.

第三は,わたしの思考を順序にしたがって導くこと.そこでは,もっとも単純でもっとも認識しやすいものから始めて,少しずつ,階段を昇るようにして,もっとも複雑なものの認識にまで昇っていき,自然のままでは互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと.

そして最後は,すべての場合に,完全な枚挙と全体にわたる見直しをして,なにも見落とさなかったと確認すること.

引用元:デカルト著『方法序説』(谷川多佳子訳)(岩波文庫)
Portrait of René Descartes by Frans Hals