真理を探求するための方法(デカルト)

デカルト(1596-1650)は,その著書『方法序説』の中で,学問において真理を探求するための方法として,4つの規則を挙げています.現代に生きるわれわれにとっても極めて有益ですので,本日の講義「科学技術論」の中で受講生に紹介しました.

第一は,わたしが明証的に真であると認めるのでなければ,どんなことも真として受け入れないことだった.言い換えれば,注意ぶかく速断と偏見を避けること,そして疑いをさしはさむ余地のまったくないほど明晰かつ判明に精神に現れるもの以外は,何もわたしの判断のなかに含めないこと.

第二は,わたしが検討する難問の一つ一つを,できるだけ多くの,しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること.

第三は,わたしの思考を順序にしたがって導くこと.そこでは,もっとも単純でもっとも認識しやすいものから始めて,少しずつ,階段を昇るようにして,もっとも複雑なものの認識にまで昇っていき,自然のままでは互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと.

そして最後は,すべての場合に,完全な枚挙と全体にわたる見直しをして,なにも見落とさなかったと確認すること.

引用元:デカルト著『方法序説』(谷川多佳子訳)(岩波文庫)
Portrait of René Descartes by Frans Hals

映画「わたしは,ダニエル・ブレイク」を観ました.

本当に良い映画を観ると,人に話したくなる.昨夜観た「わたしは,ダニエル・ブレイク」はまさにそんな映画だ.

本作は,イギリスを舞台にして現代社会が抱える問題を淡々と描き,我々がよく口にする「合理性」が,単にある一面から眺めた場合のものに過ぎないことに気付かさせてくれる.

本作が文部科学省特別選定作品であることを映画の公式ウェブサイトで知った.大学入試の英語民間テスト導入に関して「身の丈発言」があった某大臣はこの映画をご覧になったのだろうか.もしまだであれば,是非ご覧いただきたい.

内田樹著『生きづらさについて考える』を読みました.

先日,内田樹先生の『生きづらさについて考える』(毎日新聞出版)を読みましたので,備忘録として,投稿します.

本書の特徴として何よりも真っ先に指摘したいことは文字が大きくて読みやすいということ.これは,視力が衰えてきた私達の年代にとっては極めて重要で,有り難いと感じたところです.

内容に関しては,いつも通り深く考えさせられる言葉がいくつもあって,これから何度も手にする本になりそうです.特に,「情理を尽くして説く ー 書き手に求められているもの」には,学生の皆さんに是非読んでおいてもらいたい内容がありましたので,ご紹介します.

私たちが論理の筋目を通し,論拠を示し,出典を明らかにし,情理を尽くして説くのは,読者が身内ではないからだ.自然科学の論文は精密なエビデンス(科学的根拠)と厳正な理論に基づき,主観的願望を介入させないように書かれているが,それは同じ分野の専門家たちの厳しい査定的なまなざしを想定しているからである.文系の物書きにはそれほどの学術的精密さは求められないけれども,「情理を尽くして説く」という構えは分野にかかわらずものを書く人間が手放してはならない基本ルールである.

内田先生の書物でいつも楽しみにしているものに「まえがき」と「あとがき」があります.本書に収められている多くの文章は何らかの媒体で発表されたものを加筆・修正したものなのですが,「まえがき」と「あとがき」は,当然ながら,書き下ろしとなりますので,新鮮ですし,語りかける文体にも惹かれるところがあります.本書においても,その「あとがき」の中で「豊かで安全なのだけど,なぜか子どもが生まれない国」(日本を含んでいます)の共通点が指摘されていて,目から鱗が2,3枚は落ちました.いや,本当に.

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ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド 著(上杉周作,関美和 訳)『FACTFULNESS』は今年一押しの一冊!

人の脳(考え方)にはある種の「クセ」(認知バイアス)があることは多くの人が指摘しているところですが,本書を読むことで,どうすればそれらを克服し,世界を正しく認識できるのかを,具体的な事例を通じて学ぶことができます.何より,客観的データに基づいて物事を捉えようとする著者等の姿勢は科学者・技術者の見本でもあります.学生の皆さんには是非読んでもらいたい一冊です.著者らによる素晴らしいプレゼンはこちらから.こちらもオススメの動画です.

Free teaching material from www.gapminder.org

 

われわれは本当に自分の意思で行動しているのだろうか?

本日の専門ゼミで,学生と一緒に以下のTED動画を観ました.いろいろと考えさせられる内容でした.専門職(医師)の判断においても,様々な要素が影響を与えている可能性を示唆する研究結果は特に印象的でした.技術者や教員も,自分で意識することなしに,重要な判断を下していることがありそうです.

https://embed.ted.com/talks/lang/ja/dan_ariely_asks_are_we_in_control_of_our_own_decisions

物事がうまくいかないとき,Elizabeth Gilbertの話に耳を傾けてみよう.

論文を書いているとき,途中で行き詰まってどうしても先に進めなくなることが(私の場合は頻繁に)あります.そんなときは,このElizabeth Gilbertの話を思い出すようにしています.

https://embed.ted.com/talks/lang/ja/elizabeth_gilbert_on_genius

心の絆創膏:Guy Winchによる素晴らしいプレゼン

体の怪我と同じように心の怪我にも絆創膏が必要になります.このTEDトークでは,心理学者であるGuy Winch氏が心の絆創膏の必要性についてわかりやすく解説してくれています.

点を繋ぐ:Steve Jobsのスピーチ

大学生なら当然みんな知っているものだと(勝手に)思い込んでいたのですが,本日の授業で学生(3年生)に聞いてみたところ,誰も知らないとのこと.せっかくなので授業の後で一緒に観てみました.もう11年以上前の出来事になるのですね.学生達は彼のスピーチに何を思ったでしょう.